確か、息子が2年生の頃です。
毎日出る学校からの宿題を、後回しにして次の日の朝に慌ててやったり、やりはするけれど(親に)丸付けをしてもらうために提出しなかったり…を続けている時期がありました。
毎日毎日、
「宿題やったの?」
「ううん。」
「やらなくて大丈夫なの?」
「ううん。」
…数十分後。
「何時には終わらせる予定?」
「うーん…。いまやる。」
…更に数十分後。
「“いま”ってあなたの今はいつ来る?」
「あぁ~~~もぅっっ!!」
と、何故か息子が怒るという事が、よくありました。
宿題をやらなくて大丈夫なの?と聞き続けること数ヶ月。
一体、どうしたら自ら取り組んでくれるだろうと、捻りにひねって考え、ある日今までと真逆のことを試してみることにしました。
「ただいまー!」
「お帰りー。あのね、ママからお願いがあるんだけど、聞いてもらえる?」
「うん。なに??」
「もう二度と宿題やらないでもらえますか?ほんっとうにお願いします!」
「えっ!?!?!?…で、でも、宿題って毎日やらなくちゃいけないんだよ…?……先生に怒られちゃうよ…」
「そうか。じゃあ先生に電話して、ママがあなたにお願いして宿題をやらないでほしいと伝えてありますと言っておこうか!」
「…ねぇ、ママ。どうして宿題やったらダメなの?」
「いつも、宿題をやらなくて大丈夫なの?って言うのが疲れちゃったし、何時になったらやるのかなぁとか、毎日宿題のせいでイライラしてため息も出るし、
もうそれならいっその事、宿題をやらないって決めればママは解放されて気持ちが楽になるし、あなたもいちいち言われて嫌な気持ちにならないなぁと思ったから。」
「えっ…。……。」
息子は目をパチパチさせて聞いていました。
そのあと、私はキッチンで夜ご飯の仕度をしていました。
キッチンから、リビングをちらっと覗くと、部屋の角で背中を向け小さくなって隠れるようにしてコソコソと何やらやっています。
もちろん何をしているかはわかっています。しばらくすると、息子が背中に何かを隠しながらキッチンにいる私の元へ、そぉっとやって来て
「……ママ。……えっと…」
「どうした?」
「あの、宿題の丸付けお願いします…。」
「え!?どうして宿題やったの!?もう二度とやらないでって言ったのに!宿題なんか、絶対にやるんじゃない!!」
「えぇっ??!?」
「ママにもあなたにもストレスになるし、体に良くないから、やらないほうがいいと分かったんだから、もう宿題したらダメ!!わかった!?」
息子は焦っていて、こわばった表情でした。そして、次のように話し始めました。
「宿題、やりたいよぅ!勉強して、色んなこと覚えたいし、頭が良くなってたくさんのことがわかるようになりたいんだよぅ!!何もわからない大人になるのいやだぁ!立派な大人になりたいよぉ!」
もう、自分で仕掛けておきながら“なんだこれ?”と笑いそうになるのを必死に堪えていました。子供は真剣なのに、めちゃくちゃいやぁ~な母親です。
「宿題をやるとなると、また“いつやるの?”って聞かないといけないし、嫌だな。ママは宿題やるの反対。」
「もう、帰ってきたら絶対にまず宿題やるって約束する!だから、宿題やらせて!!」
「……わかった。必ず約束は守ってね。守れなかったら、すぐに宿題禁止にします。いいですか?」
「はい!約束します!!」
それからというもの、宿題は帰ってきたら必ずすぐに取り組んでくれるようになりましたが、
今度は終わったあとに中々丸付けに持ってこないという部分で
「終わったの?終わったなら持ってきてよ。丸付けしないと、直しも終わらないよ!」
と今は繰り返しています…。
ずっと新しい課題には困らなさそうです。
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