子供の頃よく、
「みゆきちゃんはまじめだねー。」
「みゆきちゃんはしっかりしてるね。」
と言われました。
その言葉に応えたいという訳ではなく、
ちゃんとしなくちゃ嫌われてしまうとか、きちんとしていないのは悪いことだと考えていたので、
頑張らなくちゃ、間違えないようにしなくちゃ、失敗しないようにしなくちゃ。って。
中学生になったある日、私は国語の教科書を2回連続で忘れたことがありました。
最初に忘れたときも、酷く自分を責めて最悪の一日になりました。にも関わらず、続けての同じ忘れ物。
やっぱり私はダメな人間なんだ。同じことを2回も繰り返して本当に馬鹿だ。私は人として失敗作だ、とまで思いました。
当時、国語は1年生時の担任の先生で、忘れたことを先生に謝罪しに職員室に行きました。
先生は、いつも元気で一生懸命で真面目で、笑顔がさわやかな方でした。
「先生、また国語の教科書を忘れました。すみません。」
“怒られる”と思っていた私は自分の逃げたくなる気持ちにムチを打ちながら先生の目を見ました。
「おっ!また忘れたのかぁ!笑。うん、わかったよー!」
「本当にすみませんでした。」
頭をぺこりと下げた私に、先生は
「好きだな〜、みゆきのそういうとこ!」
「えっ?」
「みゆきって、真面目でまっすぐでパッと見、近寄り難い感じがするけど、そういう抜けてるところ結構あるもんねぇ。そういう部分があるから、憎めないよねー!みゆきにそういうところがあるから、好きだなぁ!」
「…!すみませんでした!今度は忘れないようにします!」
「それはそうでしょ!笑」
職員室を出て、私は溢れ出てくる涙を止められませんでした。
ついさっきまで、こんなダメな私なんか…と思っていたのに
失敗しても、間違っても、それも私で、そしてそんな私が良いって。
生まれて初めてでした。
私が自分を認めてもらったと思えた瞬間でした。生きてていいんだと、思いました。
ほわんと温かくて柔らかい気持ちになりました。
先生の、この時にかけて下さったお言葉で、今はダメな自分も認められるようになりました。生きていくを楽にしてくださいました。恐らく先生は、完璧主義的な考えを持っている私を見抜いていたのでしょう。今となっては、ダメなのを認め過ぎなのでは??…という疑惑さえ浮上中ですが。
私はこのことを一生忘れることはありません。
今も忘れない感謝の気持を、先生に伝えたいです。
先生、お元気ですか?
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